番外編 ナビの鉄道旅行記2002 パート1
序章
東北地方に久しぶりに鉄道の新線開業の話が出た。2002年12月1日東北新幹線の盛岡ー八戸間の開通である。俺的には何ら東北新幹線には興味はない。鉄道マニアを自称する俺にとっては、早く目的地に着くだけの新幹線は便利ではあるけれども、風情がない。このままではサイト上に展開するほどの事もないのであるが、新幹線が八戸に延長開業することにより、鉄道の流れがかわってしまう。

まず、東北本線の盛岡ー八戸間が第三セクターに移行され岩手県側がIGR岩手銀河鉄道、青森県側が青い森鉄道に移管されて実質東北本線は二分してしまう。それにより長い間運行してきた寝台特急はくつる号は新幹線が開業する前日に廃止になる。また盛岡ー青森間の特急はつかり号や青森ー函館間の快速海峡号も廃止になり新しくスーパー白鳥号になる。
俺としては、このなかで青函トンネルを走っていた快速海峡号が廃止になるのが残念だ。この列車は普通列車のなかで唯一の客車運行だからだ。以前はどこでも走っていた客車列車ではあったが、全て電車や気動車に置き換わっていて最後の列車であったのだ。青函トンネルが開通した昭和63年に乗車した経験はあるけども、最後に乗り収めをしたく乗車の機会をえた。そんな旅行記です。
このような企画切符を発券してもらい旅に出た。仕事柄廃止当日に乗車することは不可能なので、その前の連休を利用して行ってみることにした。ついでに海底駅の探訪も併せて見学できるように手配してもらった。

ちなみに今回は道東は関係ないので、俺一人やりたい放題で乗り鉄を満喫しちゃいました。当然鉄に全く興味のない連れには
「どうぞご自由に!」との了解も取り付けたし、、、。
今回はお土産なしってことで、、、だって、どこも行かないもん!許してね!
10月12
土曜日ではあるが、残念ながら仕事が入ってしまった。できる事ならば前日11日に出発したかったけど、、、。仕方がない。
実質2日の行程になってしまったようなものだ。仕事を終え、一旦自宅に戻り簡単に準備をして大宮駅に向かう。こんな時の俺はマニアそのものになってしまうらしい。とても3ヶ月前にはソロツーをしてたライダーには見えないかもしれない。
大宮駅には22時に到着した。キオスクで睡眠薬代わりにビールとツマミを購入。ちょっと早かったかな?ホームにはホロ酔い気味の人たちが多い。んで、俺もまずジュース代わりにビールをあおる。プファ〜!旨い!ってんで再度キオスクに補充に行こう。やがて列車が到着。本日は11両編成らしい。普通に乗車しても意味がない。ここでは、上野寄りの1号車に一旦乗車。実はこの「はくつる号」は1号車が「ごろんとシート」車となっている。これは寝台車に必要な寝具やスリッバ等が一切提供されない車両だ。その代わり特急券があれば乗車できるので、ゴロンと寝ていけばいいわけで寝台券6300円は必要ない。1号車は満席みたい。かなり人気があるんだね。そして2号車からは寝台車になる。

2号車以降は空席が目立つ。今の時代価格破壊とは言わないまでも6300円あれば、リーズナブルのビジネスホテルくらいは宿泊できそうだ。それを浮かすことができるならば人気は高くなるはず。確かにそうだ。今は夜行高速バスが全国各地で人気があり需要が高いらしい。これは安価で行けるメリットが高く評価されている証明だろう。事故渋滞などで定時運行が確約できなくても深夜の移動ならば文句もでないのかもしれない。考え方しだいだけど、寝具を寝台車にセットするだけで6300円は高すぎる。JRも考えた方がいいのではないだろうか?高速バスとの共存ではなく寂れる一方だ。

さて指定された6号車に行く。俺は上段なので荷物を寝台に置いて通路に座って夜景を肴にビールを飲む。自称マニアでも中々こんな乗車はできない。しばらく堪能しよう。改札が終わると減光らしい。下段の青年2人が鉄道のウンチクを話していたので会話には乗らなかったが聞いてみる。やっぱり知っているんだね!俺なんか浦島太郎状態だもん。会話についていけそうにない。そこそこ酔ったみたい。寝台に入って休もうzzzzzz
10月13日
朝は野辺地の前で目が覚めた。階下に下りて下段の青年と挨拶をして下段シートにおじゃまする。彼も、「はくつる」号の乗り収めと客車列車の乗車をしにきたらしい。俺より年が若いのに知識豊富だ。逆にいろいろ教えてもらった。と、車窓で野辺地手前で南部縦貫鉄道の跡を見る。草が生い茂ってとても走れる状態ではない。やはり廃止は事実なんだな。案内放送で間もなく終点青森に到着。
ホームに到着すると、その青年は挨拶もそこそこに列車の前方に向かっていった。何人かも走っていったので、何があるのかな?って思って俺も行ってみる。そこにはヘッダマークを取り付けた機関車がいた。そうか!その機関車を撮影してたのか!って思って俺もカメラを取り出すけど、機関車は客車を切り離して引き上げていってしまった。ありゃりゃ!

ホームの反対側には485系と言われる特急はつかり号が停車していた。JR東日本がリニューアルした電車だ。多分20年以上前の電車だけど、車体とかを更新して新車に見える。このはつかり号も見納めだね。もっとも明日乗るけど。
さて、ここから函館に向かう。一般的には、快速海峡号を利用するのだけど、俺の切符は自由席利用ならば特急に乗れる。30分しないで函館行き寝台特急日本海1号が入線してきた。これに乗ろう。本来は、この列車も全車寝台車だけれども秋田の先東能代からは函館まで立ち席特急券で乗車できる。多分俺も乗れるだろう。ダメだったら特急券を車内で買えばいい。それに寝台特急日本海号なんて大阪方面からの列車なので、まず乗車することもないからだ。

今日の寝台特急日本海1号は12両編成だ。それに修学旅行なのか中央の車両は学生でいっぱい。車掌に立ち席特急券での乗車は何号車?って聞くと後ろの3両に乗車してくださいとのこと。駅弁ホタテ飯を買って乗車。やがて出発。さっきの青年は1時間後の快速まで待つんだろうな!一番後ろの車両の最後尾は誰も乗っていない。誰かが使ったであろう寝具を片付けて駅弁を食べながら車窓を堪能する。

俺はこれが一番好きだ。鉄道マニアといっても幅が広い。オタクと呼ばれるヘビーなのから、知識よりも乗って楽しむ俺みたいなのもいる。俺はオタクではなく、こんな旅が大好き。車掌がやってきて、切符を確認。ちょっと考えてたみたいだけど、そのまま返してくれた。実際自由席特急券と立ち席特急券では意味合いが違う。俺の切符は自由席特急券は含んでいるんだけど、立ち席は?って考えていた。車掌も考えたんだろう。でもOKらしい。
出発すると、すぐ青森運転所のそばを通る。485系や583系の国鉄色が3編成が留置されていた。ここのシーンはJRではなく国鉄時代に戻ったイメージだ。つまり国鉄型車両しか止まっていないしカラーも変更ない。ただアップで見るとJNRのマーク(日本国有鉄道のマーク)はないけど、、、、。寝台特急日本海1号は途中木古内のみ停車でその先函館まで止まらない。

青森から函館までは一般的には津軽海峡線と言われている。ただ、これは線路の総称であって津軽海峡線ってのはない。実際は青森から蟹田の先、中小国までが津軽線。中小国から木古内までが海峡線。木古内から五稜郭までが江差線。そして五稜郭から次の函館までが函館本線である。(そんなことはどうでもいいか!マニア向けじゃないんだから、、、。)

蟹田を通過すると信号場にやってきた。最後部で撮影しよう。さっきまで揺れていた車両も安定してきた。ここから新規開業部分の海峡線だ。(左の写真でポイントで1本が3本に分かれていますね。右から津軽線。中央の自分の乗ってる線が海峡線の函館方面。左が海峡線の青森方面です。)

さすが新幹線規格で作っただけあって広い。このまま木古内まで快適な旅ができる。やがて青函トンネルに入る放送があってなが〜い53Kmのトンネルに突入する。寝台車なのでタダのトンネルにしか思えない。それが残念。それに客車列車で先頭の風景は見ることはできない。その分最後尾で真っ暗な世界をのぞく。ずっと見ているとフラッシュの嵐!何?って思うと竜飛海底駅らしい。へ〜見学してるんだ!。俺も明日は見学するけどね!
50分くらい走ってやっと青函トンネルを出た。(写真左)結構長かった。天気もいい。木古内を過ぎると、いままでの快適な線路ではなく、単線のクネクネした線路になった。速度も落ちる。

最後尾に乗車しているから、カーブでは先頭の機関車や先頭車両が見える。これって意外と好きだ。なが〜い編成を見ながらの光景は別の意味で楽しい。単線なので何度か信号場で待ち合わせの停車をする。すれ違いは比較的貨物列車が多い。やっぱり物資の流通は貨物も多いんだね。トラックの場合、必ずフェリーに積載するから絶対量が違うからかな?

この先の目的は道東まで特急に乗れるだけ乗って、明日の海底駅探訪のため函館に戻ってくる予定をたてた。函館市内の観光も考えたんだけど、あまり気が乗らない。レンタカー使っても高くつくし、観光バスも乗れるかわからない。ならば北海道全線特急に乗れる切符だから、時間調整?ではないけど車窓をとにかく楽しんじゃおう!ってことで、函館から特急に乗ろう。(実は出発前に大宮駅で時間があったのでルートを考えていた。)
函館からはスーパー北斗7号に乗車。同じホームで反対側なんだけど接続が4分しかない。そこに来て寝台特急日本海1号が5分遅延だったからスーパー北斗7号は出発待ちしていて駅弁すら買える時間もなく列車に飛び乗った。アナウンスも「お急ぎください〜」って何度も放送していた。で、すぐ発車!乗れなかったらシャレになんないもん。良かった!このスーパー北斗7号に使用される列車はキハ283系と呼ばれる振り子車両。カーブでは遠心力で車体が不安定にならないように車体を内側に傾かせて高速で走る列車だ。

15分ほどで大沼公園に到着。はえ〜!ってのが感想。いつだったか、O君と走ったR5では30分以上かかったはずだよ!それに車両と景色を比較して見ているとカーブでは車体が傾いているのが視覚でわかる。つまり左カーブになると、車体もさらに左側に傾く。自分の乗車した車両と、前に連結された車両の傾きがあきらかに違う。こんなのを感激しているのは俺くらいかな?初めて乗車した列車に感動を覚えた。

さて函館本線は噴火湾沿いに走る。右手はR5号線と海が見える。そこそこきれいな光景だ。車内販売がやってきてホッキ貝弁当を買う。よかった〜お昼食べれて!旨い!昼なのでビールではなくお茶を飲む。あまりに心地よいので、いつの間にか眠ってしまったようだ。気が付いたら東室蘭まで来ていた。あれ〜早いなあ!って思う。もう少しで南千歳に到着する。デッキで到着を待っていると携帯の電話が鳴る。大島輪店の社長からだ。「今、俺とんでもない所にいますよ!」って言うと「もしかして北海道?」って返ってきた。あれ〜何でわかるんだろう?って言ったら社長はビックリしてた。当てずっぽうで言ったらしい。それも冗談で!ところが本当に北海道に行ってるんでビックリしたらしい。
南千歳で乗り換え。ここからは石勝線に乗車する。ここも初めて乗る線路だ。今日は函館に戻ってビジネスホテルに泊まらなければならない。函館着最終の特急から逆算すると、帯広までが最長である。したがって釧路は行きたかったけど絶対間に合わないので諦めた。ならば帯広で小休止して戻ればいいや!ってんでプランを考えている。

南千歳では12分の接続。次の列車はスーパーおおぞら7号釧路行き。俺はタバコは吸うんだけど、禁煙車にいつも座る。それは俺自身のタバコは気にならないんだけど、他の人のタバコの煙は気になって仕方がない。自分自身タバコが吸いたくなったら喫煙車のデッキで吸いにいくのである。
石勝線は単線ではあるけれども、高規格として建設されただけあって、また列車も振り子式車両283系なので揺れもなく快適に走行する。新夕張を過ぎれば、楓駅を通過。よ〜く車窓を見ていったつもりだったけど、あ!っという間に通過されて写真を撮るチャンスもなかった。残念だなあ!

10月にしては道東は紅葉がまだ進んでいないみたい。てっきり真っ赤な景色を連想していたんだけどな、、、。それとも針葉樹ばかりだから場所を変えれば紅葉がみれるんだろうか?ならば大雪山系なで行かないと無理か!やがてトマムに停車。ここは夏はレジャーに、冬はスキーでメジャーな所である。今の時期はどうかな?って思ったけど5人位の観光客と思われる人が下車。何をしに行くんだろう。。列車は定刻運行しているみたい。この先、長〜い新狩勝トンネルを出ると新得。そしてもう少し走れば帯広に到着する。

このスーパーおおぞら7号は釧路まで行くんだけども、俺はここ帯広で引き返す。何だか心残りだ。駅は昔と違って近代的なホームになっていた。駅の前後が単線なのに、2本のホームと4番線まである。昔のホームは写真で見たことがあるだけだけど、過去を知ってて初めて見たらビックリするだろうな。次の列車まで時間があるので改札をでて駅前を歩く。ここの光景はいつも見ている光景なので特に感嘆することはない。でも単純に引き返すだけの理由で道東まで来る俺って?バカでしょ!

まず六花亭に行く。サクサクパイは売り切れていたけど、おなじみバターサンドと十勝小豆を使ったアンパンを購入。そしてぱんちょうに立ち寄ろうとするけど大変な行列。これじゃ列車に間に合わない。これは即諦めた。駅内のエスタに入って駅弁を購入。そしてホームに行く。かなり日が落ちて真っ暗になってしまった。駅で函館のビジネスホテルに電話を入れる。2件ほど満室らしく断られたけど3件目でOK。助かった!泊まれなければシャレにならない。
ホームでは2番線に各駅停車の滝川行き(だと思った)が停車中。今度乗るスーパーおおぞら10号は1番線からの発車だ。時間まで20分以上はあるので、この普通列車のシートで座って待つ。あ〜一度でいい北海道の鈍行列車の旅をしたいもんだ。

やがてスーパーおおぞら10号が帯広に到着。先頭で写真を撮ろうかとしたんだけど、真っ暗で写らなかった。残念。17時25分発札幌行きで南千歳で函館に向かう。座席に座っていても車窓は真っ暗でつまらないので、ちょっと車内を探訪するか。禁煙車が比較的多い車両ではあるけど、喫煙場所が確保されているのは助かる。そして先頭車両に向かう。多分行き止まりだろうと思ったんだけど、細い通路みたいなのがあるので行ってみる。あれ?展望できるじゃん。小さな窓ではあるけれどもしっかり景色を見れる。

あちゃ〜先に知っておけばよかった。スーパー北斗なんか綺麗なロケーションで撮影出来ただろうに。真っ暗な中を多分130Kmという高速で走っているんだろうな。途中の駅は、あ!っという間に通り過ぎて駅名すら読めない。新幹線みたい。でもこんな高速でシカや熊が衝突したらどうなるんだろか?
もう8時に近い。南千歳で最後の列車を待つ。スーパー北斗22号で函館に向かう。入線した列車はそこそこの乗車だ。すごいなあ!多分特急列車としての感覚よりも普通列車の補完的なイメージが強いのかもしれない。確かに500円位の特急券を払えば東室蘭位までなら行ける。

さっきのスーパーおおぞらで豚丼の駅弁を食べたので食欲は特にない。東室蘭までは指定席でも人が多いので先頭車両に行って前面展望をしよう。真っ黒の世界ではあっても都市部だけあって照明が多いので意外と綺麗だ。

東室蘭で半数くらいの人が下車したみたい。俺の指定された2号車は10人位になってしまった。このまま函館まで乗車するのは何人いるんだろう。いくら列車の旅が好きでも車窓が見えないのではつまらない。仕方がないのでボ〜とする。いつしか眠ってしまったみたい。このうたた寝も気持ちがいい。やっと22時40分函館に到着。駅前を出てホテルに向かう。簡単にビールで乾杯。今日は何してたんだろう?単純に豚丼食べに帯広なんて車じゃ絶対しないよね!バカだな〜と思いながら明日の本番に備えて寝る。zzzzzz今日は5本の特急に乗車できた。
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